大都市においては、自動車の排出ガスが大気汚染の大きな原因になっています。
このため、わが国では昭和43年から自動車の排出ガスについて厳しい規制が行われていますが、大都市圏の窒素酸化物の濃度はむしろ悪化しています。
自動車の増加と大都市へのクルマの集中が続いている中で、窒素酸化物(NOx)排出量の多いディーゼル車(トラック・バス等)が増加しており、 大気汚染の大きな要因といわれています。また、浮遊粒子状物質(SPM)による大気汚染も厳しい状況にあり、とりわけ、ディーゼル車から排出される粒子状物質については発ガン性 のおそれを含んでおり、健康への悪影響が懸念されています。
「自動車から排出される窒素酸化物(NOx)の特定地域における総量に関する特別措置法」(平成4年12月施行)により車種規制が進められてきました。
しかし、自動車交通量の増大等により二酸化窒素等に係る大気環境基準を達成することが困難な状況にあることから、平成13年6月、同NOx法の一部改正が行われ、 以下に示す特定地域に本拠地を持つトラック・バス等の特定の自動車の車種規制等の施策を更に強化するとともに、自動車交通に起因する粒子状物質(PM)を規制対象とする等の新たな施策が推進されることとなりました。
今回対策地域拡大により追加された新しい特定地域は次のとおりです。(政令指定)
東京都23区と八王子市など28市町
神奈川県横浜市など25市町
千葉県千葉市、船橋市など16市
埼玉県さいたま市など46市町
愛知県名古屋市など47市町村
三重県四日市市、桑名市など6市町
大阪府大阪市、堺市など37市町
兵庫県神戸市、尼崎市、姫路市など13市町
注:平成27年4月現在の行政区画により表示された区域です。
(市町村合併があった場合でも、区域に変更はありません。)
対策の対象物質に「粒子状物質」を追加
自動車から排出される粒子状物質の総量削減を図るため、総量削減基本方針及び総量削減計画の
作成、車種規制等により対策を推進
対策地域の拡大
粒子状物質を法律の対象に加えることに伴い、政令により対策地域80市町村を追加し、
対策区域を拡大
自動車排ガス対策の強化
(1)粒子状物質について車種規制を導入
(2)車種規制の強化 (政令・省令事項)
(3)事業者に対する措置の強化
・自動車から排出される窒素酸化物、粒子状物質を抑制するための取り組みに関し、
総量削減基本方針に事業者の判断基準に関する基本的事項を規定
・基本方針に基づき、事業所管大臣による事業者の判断基準を策定
・一定規模以上の事業者に対する自動車使用管理計画の作成・提出を義務付け
・都道府県知事による事業者の指導・助言等を実施
自動車NOx・PM法の「窒素酸化物対策地域及び粒子状物質」対策地域に指定された地域で、トラック・バス等(ディーゼル車、ガソリン車、LPG車)及びディーゼル乗用車に関して特別の窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準を定め、これに適合する窒素酸化物及び粒子状物質の排出量がより少ない車を使っていただくための規制です。
この規制は対策地域内に使用の本拠の位置を有する新車と現在使用している車について適用されます。